書籍のご紹介・介護記録の学校

介護記録の学校

介護記録の学校

ケアプランに沿った記録が書ける!

日総研出版社より発行

初版発行:平成18年3月30日発行

改訂版第1刷:平成21年5月30日発行

【主な内容】

介護記録の超入門書が改訂されました。上級編に「介護事故,ヒヤリ・ハット時の介護記録」を追加。 事故発生時の介護記録や事故,ヒヤリ・ハット報告書の書き方を解説しました。

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改訂にあたり

平成14年から「利用者・家族・職員のための介護記録」を提唱し、実践報告も含めて著書『介護記録の学校』『介護記録の教科書』をまとめ、これまで多くの方々にご愛読いただいてきました。これは大変うれしいことであり、紙面を借りてお礼申し上げます。

介護記録を積極的に開示する施設・事業所が年々増えてきているのは喜ばしい限りです。私の住む徳島県でも、介護記録の開示を実践する特別養護老人ホームやグループホームが複数あります。施設・事業所の管理者は、「実践後、家族のクレームが激減して面会や行事などに参加される家族が増えた」「利用者の笑顔が多くなった」「職員と利用者の対話が増えた」「職員が生き生きと働いている」「利用者・家族・職員の満足度がアップしている」と言われました。

またある介護リーダーは、「以前は、主観を入れて書いてはいけないと思っていました。しかし、かかわる時の利用者への気づきや思いやり、こうした方がよいと判断した理由、事後の印象を書くことが大事なんだと考え方が変わりました。ケアが適切であれば、表情や態度で利用者から回答をもらえます。主観を入れて書く方が、チームメンバーとの共通理解が得られてよいというスタッフの意見もありました」と話してくれました。

さらにある家族は、「本人の言葉や行動のみの記録でも、私たちは同じ屋根の下で長く過ごしてきた身内なので、本人の思いや考え方を理解できますが、それだけの記録だと冷たい感じがします。ここで見せていただく記録はほかの施設と違い、職員のかかわり方や本人と職員の関係が伝わってきます。本人の気持ちをくみ取ってくれていることに感心します。一緒に喜んだり、悲しんだりしてくれ、優しい気持ちが伝わってきて涙が出ました。こんなうれしいことはありません」と心境を語ってくれました。

当小規模多機能ホームでは、毎回のご利用日ごとにホームでの生活の様子を画像入り記録に収め、1日1ページ分をカラー印刷してご本人には思い出として、ご家族には報告としてお渡ししております。ときにはご家族からのお返事をいただくことがあり、相互の情報交換と共有になっています。「私には、2つの家がある」と言ってくださる利用者もあり、家族が記録ファイルを心待ちにしてくださっていることもわかりました。分厚くなってきた生活の記録ファイルは、ご本人・ご家族・職員の思い出の詰まった世界に一つしかない貴重なアルバムとなっています。

文字は語ってくれます、職員がどのような思いで介護しているのかを。利用者と共に過ごした生活の記録を自信を持って残していきましょう。

改訂にあたり、記録の本質をお伝えしたく一筆執りました。

平成21年5月吉日 津田祐子

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